余 韻 を 考 え る
とっぷり分かる授業ができると教室に温かい余韻が残ります。授業を工夫し、あっさり印象に残る残る取り扱いを随所に行うことが大切です。
実践してみると、あれもこれもとくどくなり、子供達を混乱させ、余裕なく終わることが多いのですが、原因を自ら反省し、工夫を重ねるしかありません。
安達先生の「大造じいさんとガン」の最後の場面の余韻が、今も心に残っています。
授業は、絞られた無理のない問いで、子供達と会話するようにあっさりとした扱いでした。傷ついた残雪を看病し、堂々とまた戦おうと北の空へ放す場面です。残雪が、小さな点になるまで見守る姿から、ガンの英雄に対する想いが伝わってきました。そして、最後の読みが終った時、「見守っていたじいさんの肩に何かついているの。」と問われました。はっと、長い間、すももの花の下に立ち、残雪へ想いを馳せていたのだと気付きました。
岩手 M.K