恵雨語録に学ぶ 3
教材を読んでも、なかなか文章の心をつかめず、主題を一般化したり、相対的にまとめてしまったりしがちです。
◎ 教材は、教師と児童の中間におかれる大切なものですが、その取扱いの如何によって、師弟
の心を養う糧となり、或いは毒となるものです。-中略ー例を花咲爺にとっていってみるな
らば、犬を愛して幸福を得たおじいさんと、その幸福をうらやんで、不幸を得たおじいさん
とを対比して、善い心を持て、悪い心を持つなという教訓に到達すると、何だか私には心の
響きが荒くて、しみじみと味わいたいような感じがしません。けれども、犬を愛したおじい
さんが、一度ならず、二度三度、隣のおじいさんに迷惑をかけられても、之を包容して悪む
ことなく、恨むことなき心を思うと、その心の奥には、隣のおじいさんのために、よかれと
祈る心もあったのではあるまいかと思います。
岩手 М.K