い の ち
柳澤桂子さんのエッセイに「いのち」がある。独断で抜粋することを、お許し願いたい。
奇跡の連続
私たちは「星のかけら」から生まれた。宇宙で爆発した星のかけらが集まって、地球が出来たのが、今から約45億年前である。
生物の大絶滅
地球に隕石がぶつかり、地球は激しく燃えて海は干上がり、海の塩までも焼け、細胞は殆ど死滅したが、僅かに生き残る細胞がいたという奇跡が続いた。
全球凍結
飢えと寒さで、殆どの細胞が死に絶えたが、この時も、僅かな生物が、生き残った。
5パーセント
約3億年前に起こった、大絶滅は特に規模が大きく、地球上の95パーセントの種が絶滅したといわれている。我々、人間の祖先は生き残った5パーセントに入ったのである。
父と母
人間は母親の卵巣内で、精子と卵が受精して生命の一歩を踏み出す。1回に排卵される卵は1個であるが、卵巣内には4~5百万個の卵がある。1回に射精される精子は4から5億個で、この内の1個のみが、卵と受精する。
そこで、確率は2500兆分の1となる。
いのちの重み
私たちは何処から来たのか?私たちは何か?上のような事実を知ると、「いのち」の重みを感ぜずにはいられないし、自然に対して畏敬の念を抱かせないではいられない。
このように重要なことは、全ての子どもに教えられなければならないと考える。
伝えられるべき教育
戦後教育は、自然に対する感謝や、祈りを教えず、いのちの重みを忘れ、他人を思いやることを忘れた。今、真剣にこのような教育について議論し、実行に移すべきであろう。 これらからも科学技術が大変発達するだろうが、それらの技術に引きずられないように、しっかりと各人が、自分を見つめることが、求められている。
京都 A.T