笠原先生 あんなこと こんなこと 4
宮沢小学校での95回国語教壇修養会を前にして、
「七変化の教式の教壇はもちろんだが、もう一つ先生方に鍛え抜いたお姿を見てもらいんだ。」
笠原先生はこうお話しされました。
それは、杉田すま先生のご教壇のお姿でした。ご高齢の杉田先生が、ご教壇に一歩踏み出し立たれた瞬間、背筋がピンと伸び凛とした空気が教壇に満ちたのです。笑顔で4年生「方言と生活」のご教壇を進められましたが、参観していた私もピリッとした緊張感を感じました。
第一次指導を終えられた杉田先生に笠原先生が、
「先生、ありがとうございました。」
とお礼を述べられました。すると、杉田先生が、
「真っ直ぐに書いたと思っていた板書の字が曲がってしまいました。だめになりました。」
と話されました。
笠原先生は、修養会終了後、
「よく見たか。自分を厳しく鍛え抜いた人だけが身につけることのできるお姿ってあのような教壇での姿なんだぞ。」
と話されました。
杉田先生のご教壇と笠原先生とのお話から、今の自分に満足することなく、常に自己を高めようとする生き方を教えてもらったと思います。
今回、いずみ会から出版された「教式の話」には、お二人のお写真、お話が載っています。今も、天国でご教壇のお話をされているのではと思います。