10月の話題 3

笠原先生 あんなこと こんなこと 3 

 笠原先生宅での土曜会は、書庫である2階の和室で開かれました。
 部屋には多くの蔵書の他、国語辞典始め動物・植物図鑑や様々な字典が置いてありました。
 土曜会での教材解釈の中で、子供たちにとって難しい漢字や諺、植物・動物の分布や生態などより詳しい説明が必要と思われる時は、1階の書斎からも辞書や図鑑を持ち込み「この本のここにこのように書いてある。」と詳しく説明してくださいました。
 また、「調べたからといって全てを子供たちに話すのではなく、文章の心に到達するために必要な事柄を教師は見極めて使うのだ。」とも話されました。
 今回いずみ会から出版された「教式の話」にも、「どんな漢字でも熟語でも教える前に辞書を引いて調べることが大切です。」と笠原先生は書かれています。一つの言葉も疎かにしてはいけないとする先生の真摯なお姿が伝わる言葉だと思います。
 ある土曜会で、2階の壁に岩波書店発行の「広辞苑十段位」免状が掲額されていることに気付きお尋ねすると、
「いつも使っている辞書なのでどれぐらいできるのかやってみだのっしゃ。」
と笑いながらお話し下さいました。
 笠原先生の日々の鍛錬、飽くなき知識欲の片鱗を見せていただいた思いでした。