8月の話題 4

④ 手 引

 「二とく」で出される手引によって、七変化の教式の「三よむ」に子どもたちが自主的に取り組む活動が位置付けられました。手引とは指導者から与える学習課題であり、子どもたちはその学習課題を「三よむ」で黙読しながら「四かく」でノートに書いていきます。
 このように鈴木佑治先生による手引が「二とく」に組み入れられたことによって、「三よむ」が子どもたちの自習活動となり七変化の教式に大きな転換をもたらしました。
 手引では、「何を書くか」については、「1問で貫く」ことと「平易である」ことが求められます。もちろん1問で貫く平易な手引と言っても私にとっては難しいのですが、私は手引により教材の読み方を学びました。
 今月取り上げた安達孝之介先生の『ヒロシマのうた』では、長文の作品を、「稲毛さんがヒロ子ちゃんのためにしたことを書く」という1問で手引が貫かれています。問いは、「兵隊さんの稲毛さんが赤ちゃんのためにやったこと、大きくなったヒロ子ちゃんのためにやったことを探して書く」という学習課題でした。

『どんなに、複雑な文章でも、平易な手引で首尾一貫したものを、各区画から一つずつ見つけて書くと単純化されるわけです。』     (笠原昭司先生著 『教式の話』P33)
       兵庫 K.N