③ 教材を生活に落とす
教材を「生活に落とす」というのは、教材を単なる物語や空想の世界で終わらせないということです。教材を自分のこととして読むことを意味しています。
私は、七変化の教式の流れには、子どもたち(指導者も)が教材を自ら「生活に落とす」ことができるように組み入れられているのではないかと考えるようになりました。特に「二とく」では子どもたちが教材を自分のこととして身近に感じるように読むという重要な取り扱いになっています。
先週述べた『ヒロシマのうた』の取り扱い方を見ても、題目の「ヒロシマをなぜ片仮名で書いたか」という第1問で、ストンと教材が子どもたちの生活に落ちました。子どもたちの読後感から主題や要旨への把握が明確になりました。
私が七変化の教式に魅せられたのは、「教材を生活に落とす」読みを教わったことも大きかったのです。子どもたちも指導者も、自分の生活を見つめることによって、芦田先生のお言葉どおり生活を振り返り「共に育つ」ことができます。このような読みこそ主体的な読みと言えるのではないでしょうか。
兵庫 K.N