令和3年6月8日(月)~6月14日(日) 第10週

…… 小学校の国語の授業を考える ……

自然のかくし絵(東書3年上)の授業
第三次指導 授業報告(その4) 5月14日

《板書事項》
授業の流れ (第一次指導と同じであるが、《二とく》《六とく》話し合いの視点が違ってくる)
 一 よむ (全文を7名で分担して音読する)
 二 とく  (一よむを受け、前時のおさらいから入り、本時へとつなぐ話し合いをする)
 三 よむ (手引きで出された段落(箇所)を黙読する)
 四 かく  (黙読しながら視写する。教師は板書する)
 五 よむ (板書を指黙読・指音読する)  
 六 とく  (五よむを受け、文章の核心をつかむ話し合いをする)
 七 よむ (授業を振り返りながら板書を指音読する)
以下、第三次指導 二とく と 六とく の概略を報告します。
(宮城の会員 MK 投稿)
二とく  (〇おさらい ◎承接 〇手引き と3つの要素で組み立てられている)
○ おさらい (全課を再構成し、復習する。今回は第一次指導六とく 横一線で整理 している)
 ・(黒板の上部に横一線七区画して)出てきた生き物は?
   セミ ~ 鳥・トカゲ。
 ・これを二つに分ける。
   1~4 と 5~6。
 ・食べるものと食べられるもの。どちら?
   隠れる方 と 探す方に分かれている。
 ・喰うものと喰われるものの話だ。
◎ 承接 (おさらいを受けて、手引きにつなぐ。今回は 題目=かくし絵 に戻り、手引きへ)
 ・この「かくし絵」は誰が作るものなのか。
   自分で作る。
 ・自分の「自」に「然」をつけると何と読むか。
   しぜん。
 ・自然にできた「かくし絵」が2、3、4にあった。どれがすごいと思うか。
   コノハチョウ 15人  トノサマバッタ 7人  ゴマダラチョウ 5人
○ 手引き (新出漢字の働きを文章に即して考える:個別学習になる《三よむ・四かく》の指針を示す)
 ・漢字の勉強をする。教科書の下に書かれている漢字をノートに書く。
六とく  (〇文中の位置 ◎こもる力 〇余韻 と3つの要素で組み立てられている)
○ 文中の位置 (漢字が最初に使われた区画を確かめる)
 * 二とく で板書した7区画に合わせて漢字を板書する。
◎ こもる力 (自然のかくし絵の 核心に迫る漢字の働き を考える)
  ・「自然のかくし絵」で、とても大事な漢字は?
    色です。
  ・「ショク」と読む(ほご色、かっ色)もの と 「いろ」と読む(緑色、黄色)ものがあった。
  ・「色」の次にたくさん出てきた漢字は?
    「身」と「役」。
  ・身を隠すのに役立つ色を何と言うか。 
    「保護色」。
  ・保護色で身を隠していても食べられることがある。どの漢字か。    
    「動」。
 ・どうして動くと食べられるのか? 
   鳥やトカゲはするどい目を持っている。
○ 余韻 
 ・鳥やとかげは悪いのか?
   うーん、悪いとは言えない。
第三次指導 《二とく》 〇おさらい ◎承接  《六とく》 〇文中の位置 ◎こもる力 の工夫が素晴らしい。        =広報担当=
 第三次指導 《二とく》 :全課の復習=再構成: が 《六とく》の大事な伏線になっている。
 第一次指導では横一線を板書していないが、ここで横一線で各区画に出てくる生き物(動物)を整理している。
 これで、全課の概観が一望できます。(視覚化の効果:単純化され具体化される)
 これが、《六とく》 〇文中の位置を考える手掛かりにもなっている。
第三次指導 《六とく》 〇文中の位置を押さえながら◎こもる力の扱いもやっている。
        また、漢字の文中での働きを関連付けることによって漢字への興味関心を引き出している。 
 《五よむ》 板書の漢字を読む前に送り仮名の確認をしていることが、板書から見える。
 色 ⇒ 音読みと訓読みを具体的に扱っている。
 大事な漢字 ⇒ :色: ⇒ 沢山出てきた漢字 :身 役: ⇒ 身を隠すために役立つ色 :保護色: ⇒ 見破られるのは :動: と板書された漢字を中身と関わり結び付けている。
 第一次指導の授業記録(筆録)を文字起こししてくださいました。
 労力のかかることですが、授業を振り返る機会になり、課題も見つけられたとのことです。
 出来上がったところで載せていきたいと思います。
 後日、リモート研究会でその課題を話し合えることを願っています。    第一次指導の筆録はこちらへ
 第二次指導1時間目の授業記録(筆録)が届きました。 本日12日掲載  第二次指導1時間目の筆録はこちらへ
ご意見・ご感想をお寄せください。(LINE もご活用ください)                           第三次指導の案  詳しくはこちらへ 
三次指導が、形式ではなく大切な深い理解の上で指導されていることがよく分かりました。
何度も書きなさいと言われたり、漢字の苦手なこも楽しくなりますね。
有難うございます。
(岩手の会員 mK)
三次指導があるおかげで、扱いが不十分だったところを補うことができる場合があります。
それが面白いと思っています。
(宮城の会員 MK)  8日のLINEより

三次指導の記録ありがとうございました。大変勉強になりました。
板書がとても工夫されていると思いました。
立体的で視覚に訴えます。
・一次のおさらいと新出漢字関連し合っている
・昆虫の名前の書き方              
余韻の発問が素晴らしいと思いました。
自然の摂理に触れて考えさせるものだと。
ここから子どもたちは新たな興味や関心を持つだろうと考えました。
私にとっても、楽しい学びでした。
 (島根の会員 mN)
ありがとうございます。子供たちの反応も面白かったです。 
(宮城の会員 MK)  9日のLINEより