考 え る 授 業
芦田教式を何も知らず、初めて授業を見た後で、事務局の倉員先生に質問しました。
「なぜ子供達の挙手が少ないのか。」
「なぜ先生方が同じような指示を出すのか。」
全ての手続きや指示が子供達のためであることも分からない表面的な質問をした私に、先生は笑顔で答えてくれました。
「自分で考え続けてごらんなさい。答えがはっきり出ます。」
あれから40年余り、手続きを省いたり、文章の心が読めなかったり、反省の繰り返しの中で、はっきり分かったのは、教式は、師弟ともに考える授業だということです。
大事な文章の心を伝えるために、先生が教材を読んで考える。考えたことを子供と一緒に考える。反応が悪いのは何故かまた考える。どのように考えるかは、教式の手続きと手順を踏んで自分の頭で考えるのです。
倉員先生の「生活即教壇」の声が聞こえてきます。
岩手 M.K
編集担当の注
☆ 倉員先生は芦田恵之助先生のお孫さんで、今年の1月26日に92歳で鬼籍に入られました。