8月の話題 1

① 「二とく」は 問答による話し合い

 今年の「2月の話題」に、私は「七変化の教式」との出合いを述べ、その時に「一よむ」を取り上げました。そこで、今月は、「二とく」について話を続けることにしました。
 
 七変化の教式でいう「とく」とは現在では聞きなれない言葉ですが、「二とく」は「一よむ」の読後の印象をもとにして進めます。学習形態は、話し合い法や討議法のような子どもたち同士の話し合い活動ではなく、問答法がとられます。1問1答の形態です。「教師中心であらず、児童中心であらず、大法に従って師弟『共に育ちましょう』」という深い芦田先生の教法の基盤です。
 そのため、教式では教材の特質や子どもたちの認識の在り方を関連づけながら、問いを出します。その際、発問は精選され、創意工夫が必要となります。私は浅学で芦田先生のご教壇の深さには到底及ばず、理解も不十分ですが、先達の先生のご教壇を新任時代から拝見してきており、問答による話し合いをとおして、子どもたちの目の輝きや分かる喜びに浸っている姿を目の当たりにしてきました。学級のどの子にも分かる教壇といえるのでした。                                     

 『二のとくというのは、読後の印象をもとにして展開するところです。読めば、子どもの頭
   の中に読後感が残ります。それを、問答によって整理して、秩序立ててやり、これからの
   学習のレールを敷いてあげるのが二のとくです。』
      (〖芦田恵之助先生没後七十年記念 教式の話〗より『教式の話』笠原昭司P30)           
        兵庫 K . N