2月の話題 1

私の新任時代

 私は、小さい頃から憧れていた小学校の教師になり、元気いっぱいの子どもたちとの生活は楽しくてなりませんでした。勤め始めて3~4年間は子どもたちに体当たりの毎日で、無我夢中でした。勤務校では、国語の授業研究が活発に行われていました。私自身は教育観も曖昧で、国語の指導も分からないことばかりでした。先輩の先生方の指導を仰ぎながら、1つ1つと学んでいきました。夏休みには、県内はもちろんのこと県外の国語研究会にも積極的に出かけて行きました。
 ところが、このように意欲的に取り組もうとしましたが、授業に関する悩みは大きくなっていきます。各国語研究会の指導方法がさまざまで、自分自身に合う指導法はと考えると、行き詰ってしまいました。行き詰るというよりも私にはできないという言い方が正しいのかもしれません。  
 例えば、授業初めの教材を「読む活動」を取り上げてみると、子どもたちが口々に座ったまま読むクラス、一斉で大きな声で読むクラス、1文ごとに順繰りで読むクラス、形式段落で交代して読むクラス、……。
 挙手を見てみると、指を123と上げて発表数を示す方法、「ハイ。」「ハイ。」という声が響くクラス、挙手はなく子どもたち同士で指名し合って発表するクラス、……。
 どの方法を取り入れるとよいのか、いろいろな視点があり、新任の私はどうすればよいのか迷ってしまいました。教師である私が心の落ち着きを失ってしまいました。   (つづく)
      兵庫 K.N