12月の話題 2

学びの基礎・基本を考える 2

 芦田恵之助先生の恵雨語録(寺田清一編)に「優中劣の児童」があります。

 天分十の者と八の者と六の者と四の者があると致しましょう。その各自の天分を十八六四そのままに育てたとしたら、四者悉く天分を全うしたものでしょう。結果に於いては四六八十と差はあっても、全き発達を遂げたという点からいえば平等です。差別そのままを平等と見るということは、この事です。 
 沖垣君がいつか、
『幾度あなたの講義をきいても、劣等児に言及なさらないことは一度もありません。あなた程劣等児のために深い理解と救済しようとする熱を持っている方は少ないと思います』
と言ってくれたことがありました。
 私は、「私が劣等児であって、幾多追憶の資料を持っていますから自ら同病相憐れむの情もこもることだろう」と思います。
 これはまた、学校教育の基礎として大事なことのように思いますが、いかがでしょうか。
       東京  K.T