令和4年 4月18日(月)~4月24日(日)                           第4週

…… 小学校の国語の授業を考える …… 

入門期の教式 その4

  入 門 期 か ら 育 て る 力 その2 

・ 聞く態度と待つ力を育む 1 
子ども達は、学級生活を通して学ぶ意欲と態度を身につけます。
その基礎になるのが、聴く力をつけることです。
そのためには、先ず、聞き方を学ばせます。 
「最後まで話を聞くこと、質問には元気に応えること、挙手は無言ですること、
 友達の話もしっかり聞き、黙って待つこと」 など、教科の学習に合わせて学ばせます。
根気よく、手を変え品を変えて学ばせます。
これが、小学校生活を充実させる基礎になることを肝に銘じることです。
 
・ 聞く態度と待つ力を育む 2  
聞く態度を育てるには、先手をいつも心掛けることです。
子どもの反応を予想して、先に指示を出すことです。
指示を出したら結果を評価することです。指示と評価は一体のものです。
まず、授業の始まりには、子ども達の目を見ることです。
それは、子ども一人ひとりとアイコンタクトを取ることであり、
子どもの様子を観察することでもあります。
目を見る前に、終わりまで静かに待つことを指示します。(このように先手を打っておくのです)
全員の目を見終えたら、目を見た感想(よい点)と待つ態度を評価します。
このように、一つのことにいくつもの意図を含めます。

・ 聞く態度と待つ力を育む 3  
杉田先生の 入門期の教式 に書かれていますが、国語の教科書を見ることから始めます。
その日の課題を決めてストーリが生まれるように見させます。
( 絵を見る力も育てます)(実践例
お話の世界を楽しみながら聞く力と態度を育てていきます。
話も問答形式で自然な流れが出るようにします。
答えさせたり、指で押さえさたり、全員の様子を確認しながらゆっくりと進めます。
指示と評価を繰り返しながら根気よく聞き方を学ばせます。
姿勢にも気をつけさせます。
発表するときには立たせますが、椅子の出し入れはさせません。席の横(右か左)に立たせます。
答えてすぐ座るのですから椅子の出し入れは無駄な動きです。
子どもによっては、椅子を出し入れしているうちに答えを忘れてしまいます。
もちろん、休み時間になるときや帰るときには椅子をしまわせます。

・ 聞く態度と待つ力を育む 4
  
全員にしっかり聞いてもらうためには、教師の立ち位置が問題になります。
黒板から児童席の最前列までの距離が近すぎると、
担任が教卓の前・横に立って話す時に視界に入らない子が出てしまいます。
このことに気づいていない方がおられることをときどき見かけます。
もちろん、話をしながら教室全体を見回すのですが、正面を向いて話している時に、
廊下側・窓側の最前列の子が視界に入っていないことがあるのです。
この見落としが、重大なことにもつながりやすいのです。
担任は、全員に話しかけますが、受け取る方の子ども達は自分に話しかけていると感じています。
視界に入っていない子がいても気にしないで話していると、正しく話が聞けない子に育つのです。
ですから、話がよく聞けない子が生まれるのは、教師の配慮不足に原因があるのです。
配慮が必要な子もいるではないか、と反論が聞こえてきますが、
どの子にも、話が通るようにするのがプロの仕事です。
試行錯誤しながら学級の条件に合った話し方を工夫・研修することも教師の務めです。
とにかく、子どもの表情を見て話すことです。
そのためにも、全員が視界に入らないことには、話にならないのです。