…… 小学校の国語の授業を考える ……
入門期の教式 その5
入 門 期 か ら 育 て る 力 その3
・ 大きな声と大きな字で育む自信 1
聞き方の所でも触れましたが、大きな声を出すよう促します。
まず、挨拶の声に注意を払います。元気よく張りのある声が出るように先生が手本を示します。
国語の指導でも、入門期の指導の流れの中に「二 ことばのけいこ」が入っています。
「四 よむ」でも、指導します。
みんなで張りのある声を出すことの心地よさを味わいます。
張りのある声には自信がみなぎります。
(もちろん、個性がありますので無理強いはしませんが、教室の雰囲気で子どもは育つのです。)
大きな字を書かせることも、入門期の大事な指導です。
マス目いっぱいの大きな字を書かせます。そして、鉛筆の色が出るように意識させます。
大きな字を書くことで、点画の違いを意識しやすくなります。
鉛筆をもつ手(指)の力も育てます。書く根気も育てます。
・ 大きな声と大きな字で育む自信 2
入門期の指導でも、言葉の学習を通して文字を学ばせます。
文字だけを取り出して、「あ」を5回書きなさいというような機械的なことはしてはなりません。
子どもは、耳が先に育っています。
耳で聞いて分かる言葉を「文字では」こう書くのだということを学ばせていきます。
漢字指導で読み先行が取り入れられるようになりましたが、
文字に触れさせて慣れ親しむという気持ちで取り組むとよいのです。
書くのが難しいので易しい字からとあまり神経質になる必要はないのです。
形になっていなくても子どもなりに満足するものです。努力をほめればよいのです。
言葉(文・文章)の学習を楽しく進めながら文字を書く力を育てていきます。
新しいことに出会ったら、今持っている力で挑戦させます。
文字学習も同じです。上手に書けなくても、その努力を認めてはげまします。
大きな字で元気に書けていればよいのです。だんだんにコツをつかむようになります。
3週間先を、3か月先を目標にしてうまずたゆまず進めるのがよいのです。
先生の一貫性が問われます。
・ 大きな声と大きな字で育む自信 3
入門期の指導は、5つの指導過程(五変化の教式)になっています。
(五変化の教式)には、七変化の教式の「一 よむ」が入っていません。
七変化の教式の「一 よむ」では、区画毎に学級の代表として順繰りに音読します。
一人で読むのですから自信のない子には大きなプレッシャーになります。
そのための準備になるのが、「二 ことばのけいこ」と「四 よむ」です。
移行期の指導を過ぎて、七変化の教式への周到な準備です。
また、七変化の教式の中にも、
全員で大きな声を出して読む「五 よむ」と「七 よむ」があり、代表としての音読を支えます。
小学校を卒業する時には、どの子も張りのある声で読めるようにするのが小学校教師の務めです。
それは、自信に満ちた音読が、子どもにとって一生の宝になるからです。 (4月担当 広報部 TK)