作 文 の 想 い 出
1年生を担任した時です。入門期の指導から入りますが、子どもたちが、だんだん力をつけていく中で、一人だけ「あああ……」「いいい……」と五十音だけを書く児童がいました。焦る気持ちもありましたが、そのまま五十音を書かせていると、11回目に突然、「ぼくはサッカーをしました。」と書きました。以後ふつうに作文を書くようになりました。
また、4年生を担任した時のことです。「無題」という題で書いた児童がいました。内容は「書くことが見つからない。友だちはどんどん書いているのに、焦ってしまう。」という苦しい心の内を綴ったものでした。
題が見つからなくても作文が書けるということです。同じような話を川﨑先生も話してくださいました。
作文で内省する心を育てるという事実に納得しました。”心のふるさと”とされるゆえんです。
何よりも、作文の教式は楽しく学べるのが教師にとっても、子どもにとっても、ありがたいことです。その功徳は計り知れません。
島根 M.N