読む活動に魅せられて 芦田教式の思い出 ②
私が芦田教式に取り組めたのは、国語科指導を単純化した「七変化の教式」で示されているからでした。この「型」があることで、新任時代の私であっても指導の手がかりがつかめました。退職してからも教壇に立つことができました。
「七変化の教式」では、45分間に
一よむ 二とく(話し合い) 三よむ 四かく 五よむ 六とく(話し合い) 七よむ
の7つの学習活動を行います。
ここで私が注目したのは、読む活動が4つも(一よむ 三よむ 五よむ 七よむ)位置付けられていることです。さらに、「四かく」は手で読むことと教わりました。授業の真ん中に「四かく」が組み入れているので、筆端で読む活動が時間不足で抜け落ちることはありません。
小学校の頃から私は、国語の教科書を読んで自分の考えを持つことが苦手でした。この「よむ」を中心に据えた「七変化の教式」に出合い、私の国語への苦手意識は、そもそも教科書を読んでいないという理由にあると気づかされました。「七変化の教式」で教材文を読むと、子どもたちへの指導法でありながら、指導者である私自身が読むことの楽しさを学びました。けれども、文章の「心」(主題)をなかなか読み取れない私でした。そんな時、いずみ会の先生方から「あなたの精一杯の読みが大事なのですよ。」と何度も助言していただいたことを思い出します。
兵庫 K.N