3月の話題 1 

感想文に学ぶ ①

 昭和26年の鈴木佑治先生の教壇筆録に書かれた照沼光禎先生の感想文です。

○ 板 書 の 力  

 劣等児の指導には、耳を利用するのが捷径(しょうけい:近道)ですが、更に理念を深めるには、出来るだけ目の働きも併用するのがよいと思います。鈴木先生は「こみ入ったものを考えていくには引算教育に限るよ。」とおっしゃいます。お心は「出来るだけ単純化して要点を残し、そのものずばり式に本質に触れさせる。」ということなのです。その典型的なものが板書です。
 しかも、字配り、文字の大きさ、太さ、白墨の白さ、上下左右の開き、漢字と仮名の調和、赤線赤丸等に到るまでの形式的な面でさえ数えきれない位工夫すべき事柄があります。これに本質にふれさせる為に、適切な語を用いるとなると、板書の偉力というものは、実に広い面にわたっての総合的結集力によるものだと思います。 ―───後略 。
      担当  岩手 M.K

* 照沼光禎先生は、茨城県大宮町立大宮小学校(現常陸大宮市立大宮小学校)元校長で、いずみ会の事務局
 を長年担われた会の大先達です。
  第69回(昭和50年1月57日) 第75回(同53年1月57日)国語教壇修養会を第70回
(夏の会)を除いて開いてくださいました。
  その時の子どもたちの読み声の素晴らしさに多くの参観者も感銘を受けました。