正風護持を心して 芦田教式の思い出 ④
第138回国語教壇修養会は、7月27日28日に筑波大学附属小学校での開催となりました。
芦田先生ゆかりの東京高等師範学校附属小学校(現筑波大学附属小学校)での「芦田恵之助先生没後70年記念(鈴木佑治先生53回忌)の会」に参加できるのは夢のようです。国語教壇修養会は、子どもたちと授業を行うために受け入れの小学校の理解がないと開催できません。コロナ禍の中、リモート形式で会場校をお引き受けくださった筑波大学附属小学校の校長佐々木昭弘先生、国語部長青木伸生先生はじめ、皆々様に心よりお礼申し上げます。
いずみ会は、故鈴木佑治先生の創始された会です。故芦田恵之助先生の亡き後、その正風を護持せんと鈴木佑治先生のもとで国語教壇修養会が継承されてきました。私は、鈴木先生の高弟である先達の教壇を見ることができました。私も子どもたちと一緒になって授業を受け、教科書を読む喜びに浸りました。
鈴木先生は、芦田教式の螺旋的向上を目指した構造的な読みを「国語科指導の単純形態」として具現化されました。「三よむ」が子どもたちの黙読に代わったのは、「二とく」の「手引き」のご工夫によったものです。私にとって、「国語科指導の単純形態」は読みの道しるべでした。とはいっても、鈴木先生の本が少しずつ読めるようになってきたのは50代になってからでした。不十分ながらも鈴木先生の「国語科指導の単純形態」に沿って教材を読み、指導案を立てることができました。遅々たる歩みながら、この導きがあったおかげで子どもたちの前に立つことができたのでした。
兵庫 K.N