…… 小学校の国語の授業を考える ……
自然のかくし絵(東書3年上)の授業
第二次指導 2 時間目 授業報告(その3) 5月13日
《板書事項》
授業の流れ (第一次指導と同じであるが、《二とく》《六とく》話し合いの視点が違ってくる)
一 よむ (全文を7名で分担して音読する)
二 とく (一よむを受け、前時のおさらいから入り、本時へとつなぐ話し合いをする)
三 よむ (手引きで出された段落(箇所)を黙読する)
四 かく (黙読しながら視写する。教師は板書する)
五 よむ (板書を指黙読・指音読する)
六 とく (五よむを受け、文章の核心をつかむ話し合いをする)
七 よむ (授業を振り返りながら板書を指音読する)
以下、第二次指導第2時間目 二とく と 六とく の概略を報告します。
(宮城の会員 MK 投稿)
二とく (〇おさらい ◎承接 〇手引き と3つの要素で組み立てられている)
○ おさらい (前時の六とくを再構成し、復習する。今回はトノサマバッタの特徴を表に整理している)
・トノサマバッタには種類が二つ。体の色は何か。
一つは緑、もう一つは褐色。
・緑色のバッタがいる場所は?
緑色の草むら。
・褐色のバッタがいる場所は?
褐色のかれ草や落ち葉の上。
・バッタは、自分の体の色に合った場所を選ぶことができると分かった。
◎ 承接 (前を受けて、後ろにつなぐこと。今回は他の2種の昆虫に着目し、手引きへ)
・ほかの昆虫はどうか。ゴマダラチョウの幼虫は?
エノキの葉を選ぶ。
・コノハチョウが選ぶのは?
木の枝。
○ 手引き (自然のかく絵の秘密を詳しく読む:個別学習になる《三よむ・四かく》の指針を示す)
・コノハチョウの写真を見ると、かくし絵になっていないものもある。どうして羽を開いているのだろうか。
そういう昆虫の1日の暮らしを書いた所を書く。
六とく (〇語義・区分 ◎心 〇余韻 と3つの要素で組み立てられている)
○ 語義・区分 (難語句解消後に区分する)
・「かんさつ」って分かるか?
調べる気持ちでよく見ること。
・「ほご色」と同じことを言っているのはどれか。
にた色。
・二つに分ける。
「活動」と「休」に分けられる。
◎ 心 (第三層(文章の心:核心)を具体的に明らかにする)
・活動している時間と休んでいる時間。どちらが長いか?
休んでいる時間。
・保護色が役立っているのはどっちの時間か?
休んでいる時間。
・昆虫が食べられる危険性が高いのはどっち?
活動しているとき。
・ずっと休んでいればいいのに、活動するのはなぜ?
食べなければならないから。
・危ない時間と安心な時間。安心な時間の方が…?
長い。
○ 余韻 (うまくできているもんだね、昆虫も。)
第二次指導 《二とく》 の 〇おさらい◎承接 の工夫が素晴らしい。 =広報担当=
板書の工夫
前時の第二次指導《六とく》◎心を表で視覚化
⇒ 第二次指導1時間目のおさらいはキャンバスを長方形で示し、絵を仕上げながら再構成していた。
今時は、表の形で対比させながら前時の◎心を再構成し、スッキリと示している。
⇒ 更に、◎承接の扱いと重なるようになっている。
⇒ スッキリした板書にするために「トノサマバッタ」を「トノサマ ― 」、「 コノハチョウ」を「コノハ ― 」 とメモ風にしている。
第二次指導 《六とく》 の ◎心 への迫り方が計算されている。
《六とく》の 〇語義・区分 の区分が◎心を明らかにする伏線となっている。
⇒ 区分 3文で書かれている文章を2つに分けるなら、1:2、3か1、2:3になるが、そこを1文目の「活動」と「休」で分けている。
⇒ ◎心 昆虫の活動と保護色の関係を時間の長さを考えさせることで明らかにしている。昆虫の不思議発見を楽しんでいる。
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第一次指導の授業記録(筆録)を文字起こししてくださいました。
労力のかかることですが、授業を振り返る機会になり、課題も見つけられたとのことです。
筆録有難うございました。整理された板書で概観と山がよく分かります。
二とくのひびきで、隠れている昆虫を見つけてどうするのかという問いで昆虫は食べられないようにかくれている大事な点にめを向けられたと思います。
六とくの事実で目をだますと同じ言葉はどれかという問いが少し答えにくかったのかなと思いますが、補助発問で山が見えました。
児童は分かっているけど、どう答えたらいいのかを考えてもいますね。
私も児童だったらと思いながら読ませていただきました。
本当に有難うございました。
(岩手の会員 mK)
丁寧に読んでいただき、ありがとうございます。
発問の言葉が、適切に出てこないところが、課題です。
(宮城の会員 MK) 3日のLINEより