12月の話題 4

芦田教式(七変化の教式)入門講座 

 1時間目は、概観の指導でした。おおよその地図を描ければよいのです。新出漢字の指導や難語句の指導をしてからでなくては、内容が読めないのではないかと危惧される方がおられますが、それは、子どもの力を甘く見ています。また、歯が立たないような教材は不適切であるともいえます。
 芦田先生は、「子どもたちが今もっている力で挑戦することの面白さを味わって欲しい」と願っています。それが、「子どもたちの育とうという芽を伸ばすことになる」と考えておられるようです。また、全国を教壇行脚されて、「ああ、そうなのか」「おお、すごいな」と心に響く授業が、内から学ぼうとする力を育てるのだという確信を得られたようです。さらに、「子どもは環境で育つのだ」とも教えておられます。競争的な発想ではなく、ロールモデルになる子が育つとその輪が広がるのだと。
 最近私にも、七変化の教式の隅々にこのような教育的配慮があることが分かってきました。それでは、今回は「二とく」を脚本にしてみます。「六とく」は次回に。

二とく
 モチモチの木と呼んだのは、誰ですか。(豆太)
 豆太がモチモチの木に呼びかけている絵を開けてください。
 豆太の姿からどんなことが分かりますか。(命令している)
 どんな命令ですか。(もっと実を落とせ)
 集まった実をついているのは誰ですか。(じさま)
 これが、何になるのですか。(餅 補説=栃餅)
 豆太の目を見ると木の大きさが分かるが、どのぐらい。(でっかい)
 この絵は昼ですが、夜の絵を開けてください。
 豆太の目が横を見ています。どうしてですか。(木がお化けに見える)
 じさまは、何て言っているでしょうか。(シイーッ)
 ところで、豆太は何才なの。(5歳)
 そんな豆太のことを語り手はどう思っていますか。(弱虫)
 弱虫豆太が、夜中に独りで誰を呼びに行きましたか。(医者)
 豆太が医者と一緒の絵を開けましょう。
 豆太の目は、何を見ているのでしょうか。(雪)
 小屋に入る前に豆太が見たものは何ですか。(山の神の祭)
 その絵を開けてください。
 医者様が見たのは何でしたか。(月、星、雪と栃の木の枝)
 じさまが元気になったら豆太はどうなりましたか。(弱虫豆太に)

  豆太は医者様を呼びに行けるような勇気のある子になったが、じさまが元気になるとまた弱虫豆太に戻ったという面白い話。

 豆太の様子を考えながら、豆太の言った言葉の中から最初の言葉を見つけて書き出してください。
  1から3番までは、みんなで探します。
  豆太が言った言葉を探すときの目印は何でしょうか。(鈎括弧)
・ 1番の中にから探してください。(じさまぁ)=板書
・ 2番は。「やい、木ぃ、モチモチの木ぃ、実ぃ落とせぇ。」から(やい)
・ 3番は。「―それじゃぁ、おらは、…―。」から(それじゃぁ)