9月の話題 2  

不 肖 の 弟 子

 私の手元に、広告紙の裏に書かれた鉛筆書きの横一線が残っています。東書3年「花さかじいはお医者さん」の概観メモです。私はこの教材で、初めて登壇させて頂きました。昭和60年12月の冬の会。会場は、宮城県岩出山町立池月小学校。笠原先生が校長先生でした。
 私は、自分の案を携えて笠原先生のお宅に行きました。先生は、茶の間のこたつに座って、私の稚拙な案を見ながらいろいろ教えてくださいました。当時のノートを見ると、私は七区画で立案していますが、広告裏のメモは、七区画と六区画の二案になっています。考えられるものをいくつか提示してくださったのでしょう。そのときは精一杯でしたが、ふり返ると幸せな時間だったと思います。
 当時のノートに、大事なことがメモされていました。
 ○ 手引が具体的であると、〈六 とく〉が
 ○ 具体的なものの中、いろいろある中で最も大事なものをおさえると、全部ほぐれる
 ○ 具体で勝負具体如何に単純化するか
 ○ 第三層は、抽象ではない具体の単純化である
 何十年も前に教わっていたのに、体得していない不肖の弟子です。 
           宮城県 M・K