6月の話題 3

   読 む

「教材をいくら読んでもわかりません。どうしたら良いですか。」先達の答は、常に「読むことです。」のひとこと。教式では、読むことを ” 自己を読む ” と言います。ひたすら読んで読んで読みぬくしかありません。
 そのためにいろいろ工夫するのですが、一番は書くことです。書いていると新たな気付きが生まれ、教材の理解が深まります。七変化の中心にあるのは ” 四 かく ”です。
 教式に取り組んで間もないころ、川﨑先生から米澤徳一先生の「花いっぱいになあれ」の筆録を見せていただきました。私は良い授業ができると大喜びで、教材研究もせずに、筆録の一字一句を丸暗記して、子どもの前に立ちました。ところが……。子どもたちの白けた表情。全く授業にのってきません。大失敗に終わりました。
 この時、借り物では子どもに通用しないと悟りました。自分で読んで考えるしかないのです。以来、先達のように立派な授業はできなくても、自分の力で精一杯取り組めば良いのだと考えてきました。その上で先達の筆録を参考にすると、学ぶことも多くあります。
                  島根 M.N