5月の話題 3

  杉田すま先生「入門期の教式、     
    二ことばのけいこ 三かく」に学ぶ

 「二ことばのけいこ」は、口形を演示してみせることと、「、」「。」を体感として理解させるために「口を結ぶ」という指導を紹介しています。これは、はっきりした発音と、基本文型、作文につながる技能をおさえているということでしょう。遠い目標を見据えた提示を計画的に始めておられるわけです。

 「三かく」では、初めて教科書、ノートに出会った時はどうするかを、我が身をそこに置いたように一挙手一投足に思いを巡らせます。この具体的な行動への想像、自分が子どもになり、今初めて目の前に広がる場面にいかに対応すると良いのか、一つ一つ先手を打っていくのです。この、あくまでも子どもに寄り添う姿に心打たれます。

 具体的に何をするのか、是非本文に当たっていただきたいものだと思います。自分が受けてきた教えの中から、ほんの少しだけ紹介いたします。

 <教科書の取扱い>

 まず、表紙の折り目をつける。目印となる線までぐっと開き、折り目をつける。それを二枚、三枚と繰り返す。後は自然にできますと。

 <ノート>

 どちらが前で後ろか確かめる。表紙を一枚めくって、初めに書くページはここ、次の一枚をめくって、次に書くのはその裏、その次はその隣りと、書くページの順番を示していく。と学びました。

 そこまでしなくてもできると言えばそうですが、しかし、なるほどこのように一度経験していれば、どの子もつっかえたりしないで一緒に作業に集中できるのだ、先手必勝の技なのだと感心したことでした。

 これも、どうすると子どもが楽しく、楽に学べるかと想像した産物なのだろうと思いました。詳細は原本に当たってください。はっとするような素敵な心構えがたくさん述べられています。
       宮城  M.A