10月の話題 1

 私は今、会長さんが笠原昭司先生から引き継いだ「昭和26・27年のいずみ会筆録」や、同年に教壇行脚された「鈴木佑治先生の御教壇と参観された感想」、先達の「感想記等」の資料をパソコンで打ち直しています。
 約70年以上も前に作られた資料で、わら半紙にガリ版印刷のため、紙の色が茶色に変色しており、字がかすれてしまい読めない個所もあります。
 更に、ページをめくると紙が破れてしまいそうな個所も多くあります。
 しかし、読んでみますと大変貴重な資料ばかりです。これらの資料が失われたり散逸してはならないとの思いと、後世に残したいという思いで、一字一句間違いのないようにパソコンで打ち直しました。
 その中で、特に心に残ったものを紹介したいと思います。
 文末に資料として、これらの感想文が載っている教壇筆録について記してあります。
 教壇筆録と感想文を合わせて読んでいただければ、先達の真摯なお姿がより深く理会できることと思います。

鈴木佑治先生の芦田恵之助先生観


 大宮小に同行された、芦田(倉員)冨美子先生が鈴木佑治先生からお聞きになったお話として、

 鈴木佑治先生は、土曜日の晩こういう意味のことをおっしゃいました。
 「わたくし(鈴木祐治先生)が先生(芦田恵之助先生)を尊敬するのは、教壇がうまい等という為ばかりではない。先生は、私生活におかれても光るような方だった。つまり暗いところでも光る方だったからこそ、わたしはほれたのだ。『君子は独りを慎む』という言葉があるが、夜でも光る方であったからこそ人に何と言われようとも、師匠として仰いできたのだ。」 
                                  注(  )は投稿者。

資料
    期日  昭和27年9月26日(日)
    場所  茨城県那珂郡大宮町立大宮小学校
    指導者 恵泉  鈴木佑治先生
    教壇  「海をわたる」 新国語六年 中

この御教壇をご覧になった芦田冨美子先生の感想文「大宮へお供して」より抜粋

              宮城 T.S