令和3年7月26日(月)~8月1日(日) 第17週

「一よむ」の重要性について

芦田恵之助先生の筆録は、青山廣志氏の速記に基づくものであることは、皆様ご存じの通りで、「一よむ」での一人一人の児童に対しての助言まで詳細に掲載されています。

私は、第6週から「自然のかくし絵」の筆録を報告させていただきましたが、「一よむ」の詳細までは載せていませんでした。今回、4時間の授業で、在籍児童36人全員に順繰り読みをさせることができました。そこで、「一よむ」における児童の読みと私の指導について、録音をもとに振り返ってみることにしました。

〇 児童が読み間違えたり、読みつかえたりしたため、私が指導した言葉

 ①新出漢字、読み替えの漢字
新出漢字は七つ(身・役・調・育・守・動・持)、読み替えの漢字は二つ(色・作)である。新出漢字で読みつかえたものは、身・役・育・守・動の五つ、読み替え漢字は二つとも読みつかえが見られた。

 ②既習漢字
既習漢字の読みつかえは、5回中で4回読めなかったのが「野外」、3回読めなかったのが「(からだ)」・「(いろ)」・「(おもて)」、2回読めなかったのが「(はね)」・「(ところ)」、1回読めなかったのは、「見分け」・「黄色く」・「」・「上手(じょうず)」・「下り(おり)」・「見うしなう」・「人間の目」であった。

 ③改行によって言葉が切れている場合
平仮名で書かれていても、改行で言葉が二行にまたがっている場合、迷うことがあった。「どのように」・「ものと」・「ゴマダラチョウ」・「なるにつれて」・「いたとしても」である。

 ④児童自身の思い込みによると思われる読み間違い
「~のような」を「みたいな」、「かれ草」を「かれは」、「ほとんどが」を「ほとんど」、「活動」を「せいかつ」、「これらの」を「これからの」と読み違えた。

 ⑤特別な読み方をする言葉
「木の葉(このは)」を「きのは」と読んだ児童が、2・3・4回目にいた。

〇 まとめ
読み方をその都度指導しているにもかかわらず、2回目以降でも読み違えたり、読めなかったりする児童がいました。「一よむ」における「聞く」ことの重要性を示しています。ただ、1回聞けば必ず読めるようになるわけではなく、読んだり聞いたりすることを繰り返す中で読む力が育っていくと考えるのが妥当だと思います。順繰り読みで、どの子にも読む機会があるからこそ読む力が育ちます。小学校1年生から6年生まで、これを継続したならばその効果は絶大です。皆様もぜひ「一よむ」を大事にしていただきたいと思います。   宮城いずみ会 会員 M・K