令和3年5月18日(月)~5月24日(日) 第7週

…… 小学校の国語の授業を考える ……

自然のかくし絵(東書3年上)の授業
第一次(概観)指導 授業報告(その1) 5月11日

授業の流れ  
 一よむ (全文を7名で分担して音読する)
 二とく (一よむを受け、印象に残ったことを話し合い、整理する)
 三よむ (手引きで出された課題を黙読しながら探す))
 四かく (三よむで探した語句を抜き書きする。教師は板書する)
 五よむ (板書を指黙読・指音読する)
   《指黙読:教師の鞭の動きに合わせて黙読 指音読:鞭の動きに合わせて斉読》
 六とく (五よむを受けて、板書事項を関連付ける話し合いを通して山場を探る)
 七よむ (授業を振り返りながら板書を指音読する)
以下、二とく と 六とく の概略を報告します。
(宮城の会員 MK 投稿)
二とく  (〇題目 ◎ひびき 〇手引き と3つの要素で組み立てられている)
○ 題目 ( 自然のかくし絵 板書) (話し合いの糸口に題を解く:今回は「自然」と「かくし絵」に分けて考える)
 ・ 出てきた自然は何か。
   昆虫(チョウ、バッタ、セミ)
   植物(葉、草、木)
   昆虫の敵(鳥、トカゲ)  と分類して板書。
 ・ 「 かくし絵 」にかくれているのは何か、写真で確かめる。 
   昆虫
 ・ 昆虫をかくしてくれるものは何か。
   植物
◎ ひびき (文章の核心(心)の響きに触れる。心そのもの指導は第二次になる。今回はかくし絵って何か)
 ・ 昆虫を探しているのは誰か。            
   鳥やトカゲ
 ・ 鳥やトカゲは、昆虫を見つけたらどうするのか。
   食べる。
 ・ 昆虫は、食べられないようにかくれているという話。
○ 手引き (概観するために大事な語句を書き出す指針:個別学習になる《三よむ・四かく》の指針を示す)
 ・ 食べられたら大変だから、見つからないように昆虫がしていることを書く。
六とく  (〇事実・区分 ◎山 〇余韻 と3つの要素で組み立てられている)
○ 事実・区分 (事実⇒書き出された語句を相互に関連付け、全体を区分する)
 ・ 5「目をだまして」は、誰の目をだますのか。
    鳥やトカゲ
 ・ 「目をだます」と同じことが書いてあるが、どこか。
   見分けにくい
 ・ この中で、見分けにくいと思うのはどこか。 
   木の葉そっくり、など2~4
 ・ 5と6は、ねらっている鳥やトカゲのこと
◎ 山 (第三層(文章の心)発見の糸口をさぐる)
 ・ 「かくし絵」の「絵」で大事なのは、何の使い方か? 漢字一つで。
   色
 ・ 絵が上手いということよりも、「色」の使い方が最も大事だという話ですね。
○ 余韻 (明日の授業が楽しみだなあ)
 ・ 明日はこの三つ(2~4)の中のどれかをやる。
 今回の報告を読ませていただき、第一次指導《二とく》の単純化・具体化の工夫を学ばせていただきました。    =広報担当=
 問いの立て方
 「自然」の解き方
    ⇒ 「出てきた自然は何か」と教材文に戻られています。これを単純化というのだと……
      また、子どもから出てきた答えを3つに整理しながら板書し、視覚化しています。これを具体化というのだと……
 「かくし絵」の解き方
    ⇒ 「 かくし絵 」にかくれているのは何か、写真で確かめる。「写真を見る」と視点を絞るのも単純化だなと……
    ⇒ かくしているものは何か。
    ⇒ かくれているものを探しているのは何か。

    ⇒ かくし絵に隠されている自然の不思議さに目を向けさせています。

 単純化・具体化されると授業の流れが自然になると感じました。
 みなさんは、どんなことを感じられましたか、交流の場を広げたいと思います。
 ご意見・ご感想をお寄せください。(LINE もご活用ください)                             詳しくはこちらへ(授業記録:筆録)

「自然のかくし絵」には筆者の矢島稔さんの昆虫愛が秘められている、と私は読みました。
矢島さんは、NHKの「夏休み子ども科学電話相談」の回答者でした。
その語り口を思い出しながらこの教材を読むと、子どもたちに「昆虫の素晴らしさ、自然の不思議さ、豊かさ」を伝えたいのだなあ、と感じました。

「自然」だけでは大き過ぎます。「かくし絵」だと、広すぎます。
「昆虫の保護色」だと虫マニアには魅力的でしょうが、虫嫌いには……。
「自然のかくし絵」は、子どもたちの好奇心を呼び覚ます力がありそうです。

教材文の輪郭を明らかにする活動が《二とく》です。
具体的には、《一よむ》で子どもたちの印象に残るであろうことを整理する時間です。
今回の授業では『自然』と『かくし絵』に分けて、印象に残ったことを再構成しています。
その再構成した結果が黒板に書かれて視覚化されています。
一目見て傾向が分かるのが視覚化の利点です。
しかし、細かなことまでは分かりません。
これは、算数科での「表とグラフ」の肝ですが……。
   (東京の会員 tk)

本当に身を削って研鑽なさっている姿には、敬服です。
このようにまとまった授業を、「何とラッキーな、ありがたや、ありがたや」と思いつつ参観させていただいておりました。
 (宮城の会員 mA)

板書で概観がはっきり分かりますね。
探している鳥達からどうやって隠れているのか、絵はどうなると絵でなくなるのか、
身近な生き物たちの厳しい生存競争を子供達は楽しんで学んだことと思います。
報告有難うございました。
(岩手の会員 mK)
 18日LINEより

授業を参観して                宮城の会員 mA
 
「自然のかくし絵」の授業参観は、二度目です。
城星小学校での授業を参観させていただいた感想は、「すごい名人芸」「宇宙の目で俯瞰している」でした。
本質が一目で分かる図解にただうなりました。
これだけ見事な授業の後で更なる工夫を期待されている。
さて、何をどのようにと思いながら参観させていただきました。
二度目の参観ですから、私は一度目との比較の目で述べたいと思います。
19日LINEより                                              全文はこちらに
授業参観がなによりの教式の学びになりますね。
毎回参加をし理解深め、報告してくださっていることに 感謝です。
説明文の感動は作者の一念を貫く観察、調査から明らかになった事実を識ることですね。
今回も新たな展開を有難うございます。
弱肉強食の自然のなかで一番多く食べられる虫たちの生きるための営みに教えられます。
有難うございました。
(岩手の会員 mK) 

一念を貫く観察、調査。生きるための営み。
的確で、見事な表現に、うなっています。
(宮城の会員 mA)
20日LINEより