「ことばと文化」
笠原先生の口述筆記より抜粋(第1回土曜会 昭和62年4月25日) 先生が教材を批判されておられる珍しい内容です。
題目をまずどうほぐすかが問題だね。結局「ことばと文化」というのは、書いてあることは、「文化が違えば言葉も違う」みたいなことを書いているんだね。
「それぞれの国がらや文化のちがいにつれて、一つ一つのことばや表現が表す意味や内容が、いつも同じというわけではありません。」というのが一つの結論になるわけでしょう。そごさいぐために、くどくどと述べだんだべげっともね。
俺が考えると、2つばかりここは「言語」という使い方をした方が、間違いがないんではないか思うところがある。そのため非常に混乱しやすい文章になっている。
この教材が6年生では最高の難教材ではないかと思うね。ところが案外気付かないで扱っている人が多いのではないかと思う。
手っ取り早く言うと、第4区画で文化の定義を書いているにすぎないんだね。
「いろいろな社会習慣の全体を文化ということばで呼んでいます。」と言っている。文化ということばの定義だが、普通一般に使われている文化の定義ではなくて、文化人類学の学問上の定義にすぎないんだね。だからここでは複雑になってくるわけだね。
こういう迷わせるような教材を入れたということ、そもそも俺は誤りだと思っている。
鈴木孝夫という人は、この本(「文化人類学入門」 中央公論社刊)のあとがきにこう書いている。
「いろいろな大学を始め、米国イリノイ大学において言語学・人類学・英語・英文学・社会学など各種各様の学問を専攻する学生諸君に、私が講義し論議した話題を中心にしている。その都度学会に発表した。」そいつからこの本を書いたと書いている。
そうするとおそらく英文で書いたものを日本文に直して、さらに教科書用に直したのではないかと思う。この文章を見ると、まともな日本人の書いた文章ではないような気がするね。
前の教科書で4年ばかり前にこの教材をもらったときに、本当にどうすっぺと頭を抱えてしまったのっしゃ。そういう点では指導書というものはいい加減なもので何も書いてないの。あんなの買わない方が俺は良いと思っている。
宮城 T・S

ご意見・感想、ご質問 コメント