7月の話題 4

昔 話 の 語 り
ー 市原悦子さん ー

 長く続いた「日本昔話」の語り手として日本全国、子どもから大人まで知らない人はいないでしょう。人を惹きつける声、その語りに、女優だから当然と思っていたのですが、短い昔話の一つひとつに並々ならぬ情熱を注ぎ、工夫しておられたのだと知りました。

 教式に通じる取り組みの過程
 ① 惚れ込んだ所、一番好きな所を考える。
 ② 良い所を3つ考える。(共感、あこがれ等)
 ③ 五感をよみがえらせて伝える。(自然と触れ合う)
 ④ 自分を裸にする。聞かせてあげるという立場でなく、聞き手の力を借りる。

 市原悦子さんの、思わず惹き込まれてしまう朗読の世界は、やはり並みの取り組みではできないことでした。
 師の千田是也せんだこれや氏にまつわる話は、鈴木佑治先生を思いました。「千田氏は演技をしても横を向いて声もかけられなかった。なんとか自分に向いてもらおうと、毎日必死で考え工夫した。
 鈴木先生が、つまらない授業の時は、途中で教室を出ていかれたという話を聞いたことがあります。今は亡き先達の方々は、その厳しい指導を受けて教式の道を歩まれたのです。先達の筆録を通じて学べることは、本当にありがたいことです。

      島根 Ⅿ.N