風姿花伝第三 問答条々 上手は下手の手本
「上手は下手の手本。下手は上手の手本なりと工夫すべし。下手の良き所を取りて、上手の物数に入るる事。無上の至極の理なり。人のわろき所を見るだにも、我が手本なり。況や、良き所をや。『稽古は強かれ、諍識はなかれ』とは、これなるべし」
倉員先生が良く言われました「対立観に立たないこと。」先達の素晴らしい授業を目の当たりにすると、その御工夫と深さに圧倒されます。私にはとてもできない。やはり〇〇先生はすごいと思ってしますのです。
倉員先生はそれを戒められました。「先達の授業に学びながら、精一杯の壇を踏めば良いのです。」
世阿弥の言葉と重なります。先達が、謙虚に自分を振り返り、歩まれた姿から、私たちも又、学びながら教式の道を歩んで行きたいものと思います。
*諍識…(情識のあて字)自分勝手な慢心から生ずる争いの心
島根 M. N
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