12月の話題 2

芦田教式(七変化の教式)入門講座 

 立案準備に時間がかかることもあります。先達は、担任が決まったところで教科書に目を通し、学期1本程度の教材を決めて立案の準備を始めると教材を見る目が育つと教えてくださいました。それでは、モチモチの木の立案に入りますが、一よむと二とくに絞ります。残りは次回に回します。

 一よむ 7区画 7名
 芦田先生の教育的配慮の一つが、この音読活動です。どの子にも音読の機会を作るために席順に番を決めます。そこには、子どもの現状を肯定する大らかな気持ちがあり、音読できないことを否定しません。読めない時には、助ければよいだけなのです。ですから、読み方について細かな注文をつけません。力の弱い子も学級の代表として音読するのですから、その労を労う気持ちが大事なのです。この音読の力を育てるのが「五よむ」なのです。このように七変化の教式は、有機的に構造化されているのです。教師が功を焦ってはいけません。ここにも教師自身が育つ仕掛けが潜んでいるのです。

 二とく
○題目 (題を手掛かりにして読後感の整理する活動です)
 題「モチモチの木」を板書後、この木に関連したことを組み合わせて話の糸口にします。私は『「モチモチの木」と呼んだのは誰か』から始め、豆太がモチモチの木に呼びかけている絵を見させ、絵から得られる情報を整理します。次に威張っていた豆太がモチモチの木をまともに見られない絵を見させます。その絵から得られる情報を考えます。
◎ひびき (印象に強く残っているところ<文の核心>に触れる活動ですが、深入りしない)
 弱虫な豆太が目を丸くしてモチモチの木を見上げている絵を見させます。その絵から得られる情報を整理します。山の神の祭りを見たのかな…?
○手引き (文章全体を鳥瞰できる言葉<キーワード>を一問で示すことが大事です)
 豆太の様子を考えながら、豆太の言った、鈎括弧の一番最初の言葉を書き出してください。1番から3番まではみんなで探しながらやります。