…… 小学校の国語の授業を考える ……
リ モ ー ト 授 業 体 験 記
この1月と2月に3校でリモートで授業する機会がありました。
1月の2校は、自宅からZOOMを使って学校に招待される形でした。
教材は詩『生きる』光村6年で、2時間ずつ4学級の計8時間でした。
2月は学校に伺い、Google-meetを使う形でした。
6年生2学級が4教室に分かれていて70余名の児童とWi-Fiでつながっていました。
教材は光村「今、あなたに考えてほしいこと」で、4時間行いました。
リモート授業の経験のない私の無謀な取り組みでしたが、学ぶことがたくさんありました。
そのことについて書いてみます。
リモート授業の印象
1 リモート授業では、応答にタイムラグが生じます。
慣れの問題かもしれませんが、そのタイムラグが心に及ぼす影響も知りたいところです。
2 チャットも使う機会がありました。
多くの子が自分の考えや意見を表明してくれます。
その点はよいのですが、その表示にもタイムラグが出てきます。
何名ぐらいの意思表示を求めるのがよいか、工夫する必要性を感じました。
3 パソコンの画面を長い間注視することの影響です。
その時間配分も研究する必要がありそうです。
4 3とも関連しますが、書く活動です。
パソコンに入力にするのか、手書きで行うかを担任からも打診されました。
リモート授業の体験から考えたこと
1 教式では問答しながら授業を進めます。
ですから、問答の間が大きな問題になります。
その意味でリモート授業のタイムラグは、授業者としては不安を感じました。
鈴木佑治先生は、寄席で「話芸の間を学ぶ」よう勧めています。
間の悪い授業は、どの子もにも分かることを妨げますよね。
2 鈴木佑治先生は、
「子どもたちに文章の心をつかませるには、第二層の扱いが必要だ」
「どうにかして分からせるようとする教師の立ち居振る舞いも第二層に入る」
と説明されています。
第二層の扱いをリモートで示すのは、難しそうだなと感じました。
3 「四かく」で教師も一緒に板書することの意義です。
リモート授業だと事前に用意してファイルを共有画面に表示することも可能です。
今回両方を行い、「教師も板書に精一杯取り組み同じ時間の流れを共有する」
ことの教育的意義を再認識しました。
4 「四かく」の視写は、手で読む活動です。
手で読む活動は、ゆっくり読むことでもあります。
これは、どの子にも文章の心が分かるようになる準備でもあります。
ここをパソコン入力で置き換えるのはいかがなものかと感じました。
5 教式は、リモート授業の長所を生かす授業とマッチングしやすいように感じました。
・画面を注視する時間を分散できること
・「二とく・六とく」でチャットも使うと多様な反応を引き出しやすくなること
・短い言葉で返答を求めることが多いのでチャットしやすいこと
今後、パソコン等情報機器の活用が一般化してくると思います。
その功罪を考えると共に教科・教材の本質をより明確にしていく必要性を感じました。
今後の研究課題だと思います。