「読み」の視覚化・聴覚化
「ヒラヒラ
ヒラヒラ
ヒノマルノハタ
バンザイ
バンザイ
ヒノマルノハタ」
芦田は、この授業記録に附した一文において、読方の基礎について、次のように述べている。
「うっかりすると、文字を音声にかへるだけに止まることがあります。それは仮名教授の大なる弊です。そこで『ここに耳に聞えるものがあらうが。』といはれると、どうしても字を読んでゐる子供では答へが出来ないのであります。耳に聞こえるものは『バンザイバンザイ』の声である。
『目に見えるものは』といはれたら、ヒラヒラと旗のひらめくすがたである。この問が決して完全なものとは思はないが、文字の彼方に、耳にきこえるもの目に見えるもののある事を考へなければならぬことになります。考へさせるためには、一年生のはじめからかういかなければならぬと思ひます。」 p252
東京 T.K
