1月の話題 4

教式は全てに通じている 

 その道の一流と言われる方々の話を聞くと、必ず教式に通じる点があります。

(1)「型は心である」…… 12世市川団十郎氏

 基本となる型を徹底してたたきこみ、そこから自分なりの表現を生み出すのだと語られました。氏は、歌舞伎界の第一人者として、フランスで公演する等、新しい事にも挑戦されました。「技」でなく「心」と言われた点に、深さを思います。

(2)「基本が大切」…… 陶芸家 加藤唐九郎氏

 昔は「見て学べ」と言われたが、それでは本当に力がつかない。基本をしっかり身につけるからこそ、上達する。
 国語教育の基本は「読む」「書く」「話す」「綴る」です。これがおろそかになると、国語教育は終わりです。今、学校現場では、パソコンの普及で「手でノートに書く」ことが減っていると聞きます。先師芦田先生の「国語教育は国家の存亡にかかわる」という言葉を思い、将来を憂うこの頃です。

(3)書いてわかる…… 書の話から

 書の道は教式に通じると痛感します。教式の中心は「書く」にあります。書く事を通して、教材に迫り、理解します。書も、初めは、古典の臨書を徹底的に行って、特徴をつかみます。書いているうちに、自分なりの表現ができるようになると言われます。
 良い授業も良い作品も「書く」という地道な努力の積み重ねで、見る人の心を打つことができるのだと思います。
       島根 Ⅿ.N