― 謙 虚 ―
「謙虚の心は、天が人間に与えた伸びる力の光であるまいか。時代の相はそれを忘れたかのように見える。不幸の蓋し大いなるものであろう。伸びる光の失せた人間はさみしい。伸びる光のない社会は暗い。暗い社会は争を生む。争の最後は破壊で、そこに建設はない。建設には謙虚の光を要する。それを失った者には、建設は到底企て及ぶことではない。」
昭和7年に書かれたこの文は、まさに21世紀の世界を予言したかのようです。“実るほど頭を垂れる稲穂かな”という有名な句等、どこかに押しやられてしまいました。「言わなければ損」「先に言った者勝ち」いかに他人に受けるパフォーマンスをするか。およそ謙虚とは程遠いものがあります。
教式を学ぶと、これで良いということはありません。厳しい修行を積み、素晴らしい教壇を踏まれた先達さえも、常に反省の言葉を述べておられます。そこには、ただ道を求める姿がありました。年齢や経験の多少、立場の違い等は、全く関係ありませんでした。傲慢さのかけらもなく、スッキリと美しい雰囲気を持っておられました。
若い時に、先達の謙虚な姿から多くの事を学びました。単に国語の学びではなく、教師として、人としての生き方に関わるものでした。
島根 M.N

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