③ 鞭の効用
私は「五よむ」の指導が大好きでした。教式を見様見まねでやっていた新任時代から、指黙読のときの教室の静寂は、子どもたちにも指導者にも心の落ち着く時間でした。声を出さずに鞭に従って読んでいるときの集中した教室の空気はさわやかでした。
年月を経て、この指黙読における教室の様子を芦田先生の文献で見つけたときは、芦田先生との同様の思いに私は驚かされました。
… 私の教式の中で、最も教室内の空気の澄む時は、五の「よむ」の指黙読の時です。私は常に思ひます。この際にわづかに指導すれば、自己を読むこつなどは、すぐに分るものだと思ひます。何にしても、研究者の見落してはならない児童の姿です。指斉読(指音読)には音声を練習する意味もあります。一級一心の訓練をなす意義もあります。
芦田恵之助『教式と教壇』(全集第12巻)P380
実際に教式をやってみた人でないと、この澄んだ空気や意義は伝わらないかもしれませんね。
兵庫 K.N
